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要素の噛み合わせの悪さ「オリエント急行殺人事件・感想」

 

オリエント急行殺人事件を観ました

www.foxmovies-jp.com

 

ちなみにオリエント急行は未読、オチも知らないというミステリー音痴な状態での視聴でした。

結論から言うと……普通! って感じです。

 

感想

私が海外の方の顔を覚えるのが苦手ということもありますが、視聴中、登場人物の名前と顔とアリバイが頭の中で混濁してしまい、あらすじの理解に努めているあいだに終わってしまったという印象がありました。

多人数の中から犯人を当てるという目的、オリエント急行に乗ってからのテンポ感、カメラワークと舞台セットの多彩さの噛み合わせが悪く、全体的に「いま視聴者になにを考えてほしいのか」という主題を感じにくいつくりになっていると思いました。

 

逆に言えば、あらすじを理解し「ある事実」を踏まえたうえで2度目の視聴をすることで、画面が表現するこだわりをより深く感じられるのだろうと思え、随所に散りばめられたミスリードに対してニヤつくためにも、もう一度視聴をしたいと思わせてくれる懐の深い作品であると感じます。

ブークのセリフなどは思い返すとニヤつけますね……。

 

また物語としての個人的な欲求として「腑に落ちたかった」という不満があります。謎は解けたが事件は解決しなかったという、非常に居住まいの悪い、アンバランスな結末に関しては理解はできるが納得がいかないという心地ではあります。ポアロの思想が打ち砕かれた瞬間を描きたいのはわかります……わかります……が!! どうしても殺人を許容したようにしか見えず、もう一歩先の何らかの解答を示してくれれば個人的な好みとしては満足だったように思います。

それに加えて、あの演出ではポアロが投げ出したかのような見方にもとれる。あと一歩踏み込んだ意見、もしくは助手のブークが観客の代弁者として心境を一言だけでも吐露してくれるだけでもかなり後味は変わったと思います

しかしながら、あの結末だからこそ、視聴者同士でのラストに関しての議論が活発になることは明白であり、「善と悪」という価値観に対しての投げかけとしては秀逸だと感じます。

 

ポアロとマックイーンの尋問シーンの稚拙さに関しても言及したいところがあります。

あのシーンは助手であるブークが尋問をして、ポアロは後ろから眺める程度に収めておくべきであると感じました。あそこでマックイーンを尋問するのはいわば視聴者の代弁の意味合いが強く、作中の探偵が視聴者と同じ立場での言論をすることは探偵としての格を落とす結果になると思うからです。視聴者よりも後手に回った探偵ほど無様なものはありません。

この映画のポアロは常に感傷に浸っているだけのおじさんに見えてしまったのは私だけでしょうか。

 

 

とはいえ、原作未読の身からすればオチには「おー……おお?」と思わされたので、プライムなどに配信されればもう一度観たいなと思いました。

 原作も読もうかと思います。こういうときほど電子書籍の良さを感じる。