読者には誤読の権利がある

だから勘違いした感想書いてても許してほしい

ひどすぎる「ルパン三世シリーズ・ナポレオンの辞書を奪え・感想」

 

ルパン三世映画シリーズ・ナポレオンの辞書奪えを観ました……

ナポレオンの辞書を奪え ― ルパン三世 TVスペシャル第3弾 [DVD]

ナポレオンの辞書を奪え ― ルパン三世 TVスペシャル第3弾 [DVD]

 

感想

ひどかった。あまりにひどくて途中で完全に集中力がなくなっていた。

全体として褒めるところを探すのが難しいのですが、褒めるとするならばセリフ回しでしょうか。軽妙と言えなくもないんじゃないでしょうか。

 

まずは作画がひどい。

しかし、個人的に作画に強いこだわりのあるタイプではないのでそれは別にいい。

ただ、「峰不二子=絶世の美女」という外見的な説得力がまるでなかったのはどうなんだろうと思った。「なんて美人なんだ」と作中で言われていても説得力がない。

しかし作画よりも物語のほうがずっとひどい。

プロットレベルで物語が破綻しており、それをなんとか補正しようとする詰めの甘さすらも感じました。

まずG7があるかどうかもわからないルパンの財宝を目当てにするって……導入が厳しい。全員アホにしか見えない。意図的にそうしているのかもしれないけれど、作品全体をみたあとだと「……いやそこまで考えてないんじゃないかな」と思ってしまう。

国家権力VSルパンという構図が描きたいのかなと思ったのだが、それなら作中でルパンに協力しようとする国があってもいいんじゃないの? と思う。だって目的はルパン帝国の財宝なわけですから。

そういうところがあると物語に深みがあると思うのだけれど、まったくないから物語が単調に見える。

とにかく敵国と敵国がいざこざを起こす→ルパン巻き込まれる……の繰り返し。

ただその中から叛逆者が出てきたり……というのは面白いなーと思いましたが、そいつもあっさり死ぬ。これ話が混濁としすぎるから消されただけだろうなーというのが観ていてひしひし感じました。

今回は主役級の敵がいないことも欠点のひとつだと思います。

 

レースをした後に辞書を手に入れて、城に潜り込むという二段構えの展開は良いと思いましたが、とても残念なことにその流れのなかに不自然な点が多すぎて、ルパンたちがなにも考えていないようにしか見えませんでした。

端的に言えば、全員アホに見える。

そもそもですが、マルチンベック財団がナポレオンの辞書を所有しているとわかった時点で直接盗みにいきなさいよと思うんですよ。別にレースに参加しなくてもいいでしょうよ。

確かにルパンには「レースには目がない」という設定がありますが、律儀にやらなくてもいいのに……と思っていたらルパンレースに参加してないんですよ。

ということは、そのマルチンベック財団があまりにも厳重にナポレオンの辞書を守っているのでレースに参加してその牢屋から出すのを待っているんだな……? と思っていたらナポレオンの辞書が守ってある金庫がすごくショボい!! 暗証番号プラスアナログキーなんですよ。全自動トマホークを作れる世界観なのにこのアナログさ。

「ただナポレオンが使っていた辞書ってだけだから別にそんな大切なものではない」とマルチンベックは語るけれど、じゃあそんなものを金庫に入れる必要なくね? そんなしょぼいと思っているものに警備員を6人つける意味って?

そもそもみんなナポレオンの辞書を求めてレースに参加しているんだから、世間的にある程度の資産的価値は認知されているわけです。それを「別に価値はないから」と言っているんですよ。

これは作っている人が「ナポレオンの辞書」というものの価値をちゃんと定めたうえで作っていないからなんですよね。ナポレオンの辞書が財団から他人の手に渡ることでどういう効果があるのか……ということをちゃんと想定して作れてない。物語の都合上で言わせているセリフになっちゃってる。

世間的な価値と、金持ちの価値の乖離を描いたわけでもないわけですし。

ただ、物の価値というものは主観ですので、マルチンベックにとって「ナポレオンの辞書は大仰に守るほどの価値を見いだせない」と考えているならそれはそれでいい。

それならなおのこと、ルパンは直接辞書を盗めばいいじゃないという話になっちゃいますよね。

で、最終的にルパンは直接盗んじゃうわけですよね。でもそれもっと前にできたよね? って感じなんですよ。車を改造している間にそれできたよね? って思ってしまうんですよ。

もうなにがしたいのか……って感じですよ。ナポレオンの辞書がとても盗みづらいものという表現も、金庫が厳重であるという表現もまったくなしにこの所業。前半の流れはなんだったの? ってなるわけですよね。

 やっぱりこういうことをされると全体的に登場人物が全員アホに思えてくるんですよ。誰もなんも考えてないんだなーと思ってしまう。

 

列車のシーンも本当にひどかった。

敵との混戦中に、列車にルパンたちの車が轢かれてしまうんですけれど、車が大破することもなく、かといって列車が止まることもなく……ただただ列車に押され続けている狂気そのものみたいなシーンがあるんですが、ここでもう完全に観る気がなくなってしまった。

「あ、この運転している人たちは敵の仲間なんだな」と自然に思いますよね。ルパンを殺そうとしているのだから、そう思ったら、敵が運転手殴ってるんですよ。

敵は列車を奪うことで、ルパンたちを轢断しようとしているんだな! と思っていたら、普通に他の運転手乗ってるんですよ。しかも運転席に。

この列車を運転しているやつは、自分がよく知らない車を轢いたら「ヤバイ止まろう」という思想を持ちあわせてないのか!?

もう観ている間はずっと「????」って感じ。脳内補完できないこともないけれど、補完するべきことが多すぎる。ぶっちゃけそんな映画観たくないよ。

 

もう便利すぎるトマホークとか、ミサイルで城を浮かすだとか、陳腐な社会風刺だとかもう言いたいことはたくさんあるんですが、一番はやはりナポレオンの辞書というものを活かしきれてないということ。

ナポレオンの辞書にルパン帝国の秘密が隠されているわけなんですが……ナポレオンの辞書といえば「不可能という文字がない」ということです。

それを作中では「ナポレオンの辞書にはやっぱり不可能って文字があるんだよ」ということを提示します。このひっくり返しはよかった。

……けどそれで終わりなんですよ。不可能という文字はやっぱりあったんだー! というだけで終わり!

で、辞書に隠された秘密は「あぶり出し」で手に入りましたとさ。

なめすぎだろ!!

ふざけんなよ! ここはどう考えても「不可能という文字を消す」ことで答えが生まれるという流れを辿るべきだろう。

辞書の中に潜んでいる「不可能」という文字になんらかのアプローチを施すことで、先代のルパンが潜ませたメッセージが浮かび上がってくる……ということにするべきだろ!

それがなかったら「ナポレオンの辞書」で作品を作る意味がひとつもないだろ!!

ただの辞書でいいじゃん!!

もはや辞書でなくてもいいよ。はがきでもいいレベルだよ!!

 

あとひとつだけ言いたい!

この作中でたびたび語られる「自由人であること」って、行き当たりばったりで深く思想することもない行動を取りつづけることを「自由人」ってこの世界では呼ぶんですか!? と思いました。

と、いう感じで個人的にルパンシリーズの中では最低だと感じました。

 

 ルパンといえば

 もはやセカンドシーズンと並んでルパンの代名詞的な立ち位置にいる作品ですが、なるほど納得です。いままでみたルパンシリーズの中ではダントツですよ。

広告を非表示にする