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読者には誤読の権利がある

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ラノベ界のボジョレーヌーボー「キノの旅18巻・時雨沢恵一・感想」

小説

 

キノの旅を読みました!

毎年、新しい巻が出るたびに古いものを読み返している気がします。10月になる「そろそろキノの季節だなー」と感慨深くなるものです。ボジョレーヌーボー的な。季節の風物詩と化しているような気がしないでもない。

ということで、昨年の作品ですが感想を。

 

感想

相変わらず安定したクオリティを保っていると感じました。これほどまでに作品のクオリティにむらが少ない作品もなかなかないように思えます。

「つまらなかったらどうしよう」という懸念がないだけでも、作品としての価値は十二分にあると思います。

 

ここ数年の時雨沢作品に総じて言えることではありますが、文章がかなり簡素になってきていると思いました。不必要な装飾をせずに、誰もがわかりやすく読みやすいものになっている。読み終わる早さも同じ分厚さの他の本に比べてずっと早かったです。

文章が簡素だからといって味気がなくなったというわけではないので、時雨沢さんの引き算の上手さを実感しました。

 最低限必要な情報を選び抜くセンス、そのうえで楽しく読めるだけの過度にならない装飾量、そのあたりがとても上手いんじゃないかな……と思いました。

 

 

18巻全体の印象ですが、「上手い作品」が多かった。

それを楽しめたことは楽しめたのですが、小話チックな話ばかりで物足りなさを感じてしまった。個人的には「復讐の国」テイストの話が好きなので、そっち方面をもっと読みたかったなあ……というのが正直なところ。

 

キノの旅……面白いです。面白いんですけど……個人的にはもっと時雨沢先生の変態チックな思想が透けて出ているような話が読みたいです。

最近のキノの旅は、時雨沢先生の地力のみを用いて書かれたような作品が多い気がしているんですよね。キノの旅がライフワーク化してしまっているというか……。

たちの悪いことに時雨沢先生ってその地力が高いもんで、小手先で書かれたっぽいワンアイデア先行の物語でもそこそこ楽しく読めちゃうんですよね。

だから別に問題ないといえばないのだけれど……なんていうんですかね、一冊に一編でいいから超振り切った作品が読みたいなーと思うんですよ。

寓話的物語も良いのですが、超ドロッドロのやつをひとつ……お願いできないかなあ……と思うんですよね。

 

 ただまあ続いていること自体がもはや素晴らしいものなので、こうして今年も続刊されたことは喜ばしい限りです。

 

 

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