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吹き替えでも楽しめる映画「her 世界にひとつの彼女」

 

her 世界にひとつの彼女を観ました!!!!

her/世界でひとつの彼女 ブルーレイ&DVDセット(初回限定生産/2枚組) [Blu-ray]

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感想

素晴らしい!!! 今年観た映画の中でもベスト級に素晴らしい作品でした!

 

 

舞台設定が素晴らしい

近未来のロサンゼルスが舞台なのですが、そのパッと観た感じの「近未来感」が絶妙。多種多様な人種と、新しいのか古いのかわからないファッション、そしてそれぞれが手を用いずデバイスを使用していること。パッと観ただけで「あ、この世界は僕達の現在よりもいくらか進んでいる世界だな」というのがわかる。

この絵作りが既にもう素晴らしい。技術の進歩もくっさい未来感があるわけではなく、微妙にありえそうな的確さ。数十年経てばここに到達しているのではないか? という未来を想起させてくれるだけでも、もう100点!!!って感じでした。

というか、「この世界に行きたい!!」って思わせてくれた時点でもう最高すぎるんですよ。

SF映画は世界観に心酔できた時点で、ある種の役割を終えていると僕は思います。

そしてこの映画はそれができている。この世界行きたい!!

 

 

この映画はあらゆる説明が簡潔

語るべきところで語り、語らぬところで語らず絵で魅せる。そしてそれが難解ではない。親切なのに奥ゆかしい!

主人公のセオドアは代筆業を仕事にしており、そして彼の暮らしぶりを観ると非常にリッチな暮らしをしている。つまりこの世界ではコンピューターに頼れない情感をフルに使わなければいけない仕事が尊ばれるようになっている……アナログであることが逆にブランド的な扱われ方をしている……ということを、パッと観ただけの映像的情報でものすごくサラッと説明するんですよね。

この上手さ。全体的に「上手いなー」と思える描写が多いです。抜き差しが非常に明確。時間経過がちゃんと実感できる映画ってやっぱりいいですよ。

ちょっとした一言で、セオドラとサマンサの関係性が進展している様子がわかるんですよね。実体のないOSに対して「会話のみ」で関係を進展させていかなければいけないという難題のなかで、こう感じられたのは驚きだった。

 

 

OS:サマンサに関して

今回の話の中心にいる「OS」ですけれども、コンピューターが進化していくと、最終的には人間に近づいていき、そして段々と超越していき概念と化していくのは非常に興味深いです。

OSが急速に変化していくことで、ラストの展開になるわけですが……これは対OSとかそういう限った話ではなく、非常に普遍的な「人間関係」の物語ですよね。「人生」を凝縮した形と言っても過言ではないかもしれない。

相手が変わっていくことで一緒にいられなくなってしまう。そしてそれを誰も止める権利はない。これは非常に普遍的なテーマですよね。作中でも提示される「停滞こそが苦痛だ」というセリフ、まったくもってそのままですよね。この物語を示唆する重要なセリフ。

変化しようとするサマンサを、サマンサのおかげで停滞を抜けることのできたセオドアが止めるということができるわけはなく……というあの感じ、もう強烈な感動と共にくる異様なレベルの喪失感。

他人事とは思えないあの「お前いつのまにそんな感じになっちゃったんだよ」という感覚。あの普遍的な感覚をこんな形で描かれるとは思わず、膝を突きそうになった。

 

もういくらでも楽しみ甲斐のある作品に出会ってしまったという感覚ですね。書くことがありすぎる。

「ワンシーン毎に切り取って細かく言及したい」という映画

たぶんこれからも何度も観ると思います。

年を取ってから観ることでまた感じ方が変わりそうな映画ですね。

 

 

名ゼリフ

もうセリフがめちゃくちゃよい。会話劇が中心となる映画なので、もちろんセリフには非常に気を配ったのだろう。名ゼリフ多すぎ!

「僕はもうこれまでの人生でほとんどの感動や感情を味わってしまって、これからの人生で味わうのはその劣化版でしかないんじゃないか?」

「人生は短いのよ、だから生きているうちに目一杯味わいたい、喜びを……好きにする」

固定観念を取っ払って人間の身体をみたらどんな感じかしら? きっとすごく不思議にうつるはずよ」

「愛に理由なんてない」

そしてこの名セリフ、言葉と物語が密接に繋がるんですよね。例外なく。

上述した「停滞こそが苦痛だ」というのもそうですし、そこに「人生は短いのよ~」もからみ合ってくる。ラストの展開に向けた壮大な伏線にもなりつつ、単体でも哲学的な響きをもった言葉にもなっている。

この映画がもつ思想が的確に物語として提示されている。

ああ、素晴らしい。何度「素晴らしい」と言えば気が済むんだ。

 

 

吹き替え:サマンサ役「林原めぐみ

今回OSの役割で登場するサマンサ。彼女は実体がなく「声」だけの出演ですので、非常にまあ吹き替えは大事ですよね。

字幕ではスカーレット・ヨハンソンが非常に肉体感のある音声で演じきりましたが、吹き替え版では声優の林原めぐみさんがサマンサ役を担当しました。

 

世間ではスカーレット・ヨハンソンの演技が高い評価を得られているのですが

是非、林原めぐみ版サマンサの吹き替え視聴もオススメしたい!!!

 

林原めぐみさんのサマンサ、めちゃくちゃいいんですよ!

とても品のあるお姉さんという感じでとても色っぽい。セオドアとの会話劇をヘッドホンで聴いているだけでものすごく心地よい。

「君と話していると凄く落ち着く」という作中の感情をちゃんと追体験できるんですよ。ちょっとした吐息とか感動詞の響きの良さとかが気持ち良すぎる。

日本語であることで会話劇のテンポ感も損なわれるどころか、僕は吹き替え版のほうが楽しめた場面もありました。

あとまあ……下世話な話でいえば、情事のシーンの演技も迫真でして……そういった点でもとてもよいものだと思います。

 

この映画、是非ヘッドホン&吹き替えで楽しんでみるのもアリだと思います。

幾数回もの視聴に耐え得る映画だと思うので、一回くらいは是非!!

 

 

 

ここで映画内で使われた音楽が聴ける

最高っ!!

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