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SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE「ドントクライ、ガール・ヤマシタトモコ・感想」

ヤマシタトモコ先生の「ドントクライ、ガール」を読みました。

ドントクライ、ガール (ゼロコミックス)

ドントクライ、ガール (ゼロコミックス)

 

 

いやあ久々に漫画を読んでいて爆笑してしまいましたね。

もうヤマシタ先生特有のすっとぼけた感じが全編にわたって繰り広げられており、久々に「終わらないでくれー」と思いながら読み進めました。

 

 

冒頭から素晴らしい。

面倒なので省きますが母(バカ)と父(バカ)の不手際により、父の知人宅に居候と相なりました――が」

このスタートの仕方。「もうシリアスやる気は一切ねえ!全編かっ飛ばしていくぞ!」という宣言にも近いこのセリフ。

「事情が気になるかもしれませんけれど、今回はそういうものが主題ではないですよ」という宣言を冒頭読者に食らわせてからの、叩みかけるような全裸ギャグ。

非常に素晴らしい開幕ですね。心を鷲掴みにされるような心地でした。

 

そしてキャラクターも素晴らしい。ヤマシタ先生のキャラでここまでわかりやすい形で常軌を逸したキャラってあんまりいなかったんじゃないかな。歪に狂ってる人ではなく、コミカルに「わかったうえで」狂ってるキャラ。

脱ぎ癖があるキャラというのは昨今では大して珍しいものではなありません……が! おっさんが全裸というだけでなぜここまで面白いのか。

オブラートに包まれてない直球の下ネタってなんでこんなに面白いのだろうか!

「全裸のおっさんの家に居候」という要素だけで突き進んでいく様は痛快と評さずにはいられない。

おっさんが「もーいまアナル見たでしょー☆コラッ!」って言うだけで咳き込むほど笑ってしまう。大好きだ!!

これはヤマシタ先生だからこそできた偉業ですね。他の人の絵柄だとまた受け取り方変わるかもしれない。エグさが増しそうです……。

 

全裸ってスゴイな……と改めて思いました。裸エプロンってこんなに面白いんだ……と。「裸エプロンって!!」ってなりますね。裸にエプロンってお前、まず服着ろよ!っていうか――「服着ろよ」ってツッコミがもう面白すぎるというか……。

全裸って自然と不自然が異様なレベルで混ざり合ったものなんだな、とこの漫画を読んで再認識しました。感想書いているのに、こんな言葉を使うのはどうかと思うが「読めばわかる異質さ」と言いたくなる!これはもう僕の技量では文字にはできない!

「漫画で表現されたからこそ」という素晴らしさが顕著に現れた作品だと思いました。

文字だと「裸」という要素が「収まりよくなってしまう」んです。はみ出していかない。漢字という慣れ親しんだもののせいで「親しみよく枠に収まってしまう」んです。

ただ「全裸のおっさん」という言葉が書いてあっても、受け取り方変わってしまいますよね? で、自分のなかで上手く消化してしまいますよね? 

ヤマシタ先生はそこを消化させないまま突き進んでいる感じがするんですよね。

これは本当に感覚的なアレなので、うまく文字にできないのですが……ヤマシタ先生じゃないとできない漫画的な面白さの表現だったなと思いました。

 

 

今回実に素晴らしいと思ったのは最終話。6話ですね。

オチへの収束の仕方が素晴らしい。

少女漫画への揶揄と愛がぎっしり詰まった回です。バカにしつつも最後には少女漫画のフォーマットで収束していくあたりとか器用だな……と思いました――がっ!!

けど、この話は知らなければよかった!! と思わざるを得ない!!

我々男は結局のところ女性の手の上でくるくると踊り続けているのではないかと……出し抜いたつもりでいても実のところ出し抜かせてもらったのではないかと、最終話を読んだあとそんな心地がしておりました。

「女子頭いいよぉ……怖いよぉ……」と思いながら読み進めました。

でもこんな女の子にいつか出会ってみたいものです。けど、出会ったってわかるってことは、「こんな女の子」からは逸脱したことになるわけですよね。

なんというパラドックス

 

あと、もしかしたらこれって「どーんと暗い、女の子」の話というシャレも込めているのかな……? とか思ったり、思わなかったりしました。さすがにそれはないか。

久しぶりに笑いのツボを連打された作品でした。これは人によってはバイブルになるレベルだと思いますよ。

個人的には自分でつけたこの記事タイトルも気に入っている。上手いことこじつけられたような気がします。

 

 

過去にもヤマシタトモコ先生の作品感想書いてます。

 

 

ドントクライ、ガールを読んでいるとこの作品を思い出してしまいました。

バカが全裸でやってくる (メディアワークス文庫)

バカが全裸でやってくる (メディアワークス文庫)

 

 最近、入間先生の作品追えてないですね。

一時期は出れば買う!くらいのテンションだったのですが、活字離れが著しいです。

しかし、この作品は個人的にもかなり好きな作品です。全裸、ということ以外はドントクライ、ガールとは畑違いですが、心に刺さることうけあい。漫画版もまた違ったテイストで面白いです。

是非。

 

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