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【化物語】セカンドシーズンを観終わったから振り返る

 

化物語のセカンドシーズンを全部観終わったので、その感想をつらつらと書こうかと思います。

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ここでいうセカンドシーズンは猫物語白・傾物語囮物語鬼物語恋物語花物語を指します。

では感想スタート。かなり長いです。

 

猫物語・白

 物語シリーズでは一番素晴らしいなと思ったのが、猫物語白。コメディとシリアスのバランスが実に僕好みでした。くだらない掛け合いや、肌色多めの映像や、「過去」と「苛虎」の言葉遊び的な怪異譚や、スタイリッシュな戦闘シーンもありと……まさにTHE 化物語と言わんばかりの展開ではないでしょうか。

特に1話がよかったな。やっぱダブルヒロインが活躍すると画面が映えますね。

主人公・阿良々木暦も少ない登場ながらも存在感がありますし……というか一番おいしいんじゃねえの!? って感じですね。ラストの登場シーンは、変な話ですがものすごく主人公っぽくて、原作読んだときも、映像を観たときも心震えるものがありました。

 僕は羽川翼が一番好きなので、ちょっとバイアスがかかっているところもあるかもしれませんが、セカンドシーズンの中では一番良いな! と思いました。

 

特に最後の告白シーンが良いですね

あそこに猫物語黒~つばさキャットでの阿良々木くんと羽川の関係性が集約され清算されたわけですが……いやーあそこものすっごいカタルシスありました。なんかガッツポーズしちゃったもの。

阿良々木くんの断り方もあえて芸のない感じでとても良い。普段は無駄に言葉を装飾する西尾維新のこういうとき限った引き算の美学は本当に素晴らしい。

セカンドシーズンはたびたび昔の西尾維新らしからぬ「王道的展開」があらわれますが、これもまたそのひとつだと思います。それらの展開が逆に新鮮にうつりますね。

 

猫物語は所々でセリフの良さが際立ってましたね。「もう門限の時間だよ」とか良いですよね。「これは、動物で言うところのマーキングなのだ」とかなんだそのエロさって感じでね……。

副音声もガハラ×羽川と月火×撫子でね。良い感じでした。

月火がいるときの安定のぶっ壊れ音声でね。画面に触れようぜっ! って気持ちもありつつも「いいぞもっとやれ」って感じでした。羽川の次に月火ちゃんが好きです。

 

そしてOPの chocolate insomnia」が最高ですね。

chocolate insomnia

chocolate insomnia

 

速攻借りてきてからはヘビーローテーションでした。Bメロ入りのシンプルなドラムが好きです。スネアの音がいいよね。

副音声でも触れられてましたが、体操している羽川可愛すぎぃ!!

結婚を前提にお付き合いしたすぎぃ!!

 

 傾物語

これはちょっと誰の目からみても駄作なんじゃないのか? と思わなくもないのですが……いかがですかね。

むしろ西尾先生、あえて外しにきてるんじゃねえの? と思わなくないですね。対談集でもそんな感じのこと言っていたような気がするけど……ちょっと記憶が危うい。

原作読んだときには「あ、僕が大好きだった世界シリーズ期の西尾維新は死んだ」と思ったものですが、しかしながら映像になるとそこそこ観れてしまいました。

原作は西尾先生にあるまじきキレのなさで、読むのにものすごく時間がかかった覚えがあります。

それは文量がどうとかいうより自分のテンションが原因で、早い話が「おもしろくねーなー」と思いながら読んでいたせいもある。

物語に対して「それってどうなの?」という疑問が先立ってしまって没入できない感じが常にありました。

導入とか観る限りだとセカイ系がやりたかったのかなーと思うのですが肌に合わなかったなあ。とは言いつつも、ちゃんと「化物語シリーズ」になっているところはさすがと言えなくもないですが。

そもそも個人的にタイムスリップものってあんまり好きじゃないのもありますね。ゲームの「街」とかを踏襲した群像劇のようなものは好きなのですが……。あれも違った視点でみれば過去を遡るタイムスリップものと言えなくもないですから。

 

 でも、原作では読むのがしんどかった傾物語も映像になると、そこそこいい感じに観れてしまったわけですね。

やっぱり映像って流動的なものだから多少疑問が生じたとしても、展開が先に進んでしまうからその疑問に構ってあげる時間がないんですよね。読書だと自分のペースで読むので、いちいち考えこんだりもするのですが……アニメだと「まあいっか」になることが多い。

1秒間で得られる情報量が極端に多いから1度の視聴では全て処理しきれないというのもありますね。で、結局その後も処理しないまま終わってしまうということがほとんど。

 

しかしながら6歳羽川と阿良々木くんの絡みの瞬間最大風速は全シリーズの中でも屈指のものがあるかと。腹を抱えて笑ってしまった。

 

 鬼物語

このあたりから観る順番どうしよっかなーと考えていたのですが、まあ原作読んでるし、どの順番でもいいやーと思い、鬼物語を視聴。猫物語白と傾物語鬼物語は連なっているところはあるから~という意図もある。

これは映像化の凄みが出ましたね。なんだあの忍の過去語りのときの演出。静止画を横スクロールしているだけなのに、こんなにも凄みがあるもんかね。というかこの演出はいろんな人が大変そうだ……。出来上がった絵に併せて、番組尺や声優の発生タイミングとか変わることが予想されるけど。

でもこういう思い切ったアイデアはめっちゃいいと思います。カッコイイー。けど、思っているよりも苦労が伝わってないような気が……。僕も最初は「すげー」くらいで終わってしまっていたし……。

 

で、内容ですが……「怪異としての役目を放棄した」というのは盲点でしたね。鬼物語は読んだ内容を忘れていたので、普通に楽しんで観てしまいました。

「怪異は人に認識され役割を果たすことで初めて存在する(できる」という前シリーズから言われてきた認識がついに骨子になって登場という感じでしたね。猫物語白でもそれとなく示唆して、更に忍の過去話に潜ませながらヒントを与えていたというのは……いやはや構成うまいなーと舌を巻いてしまう。

僕個人は忍の可愛さってどうもピンとこないところがあるのですが、忍というより八九寺回の様相もありましたね。斧乃木余接も出てね、ロリコン大歓喜な映像集でしたね。

まあ全体的に印象が薄いです。内容が頭に残っていないというか……。ロリコン三傑が登場しても割と無感動だったというか……。そこそこ笑ったり楽しんだ記憶はあるのですが……なんかパンチのある感想が出てこない。

まあ僕はフェザコンだし。

 

囮物語

キレ子の説教シーンが全て、と言っても過言ではないくらいの話。

正直な話、これはなでこスネイクを始めとした各所での伏線回収と恋物語に繋げる為の話なので、物語的には大して好きでもないですが……花澤香菜さんの演技が加わるとやっぱり観れちゃいますねー。

原作でもあそこの説教シーンは実によかった。小細工なしのストレートパンチで論を通すというか……。いままで小賢しげな展開と論法で物語を続けてきたこのシリーズの中でもとても爽快感溢れるシーンですね。

常に輪の外にいて、ひとりだけおまじないに手を出さなかった撫子だからこそのセリフ。そんなクラスメイトを内心では蔑んでいたし、そんなことでウジウジしていることをバカバカしく思っていた。

「自発的になにもしないこと」を徹底していた彼女だからこそ展開だと思いますし、抑圧されていたそれが解放されたことで産まれたシーンですが……短いながらも実にカタルシスがあってよかったですねー。あそこは何度も観返しました。

 

他には、月火ちゃんの「殴ろう、腹を」というセリフが良かったです。

まず単純に語感が面白いのですが、それよりもこの直線的なセリフを言えるキャラ性が素晴らしいというか。こんなキャラクターを存在させることができる土壌作りもまた素晴らしいというか。なんかべた褒めですね。

これが言える人間と言えない人間ならば、僕は紛れも無く言えない人間なのですが、これが言える月火ちゃんを僕は力強く尊敬したい。

関係性が破壊されてもいいから相手に対して自分の考えを述べる姿というか……あそこまで直情的に生きられる人間ってそういないよなあ……と。

月火ちゃんはとってもピーキーな性格をしていますが……行動自体は規範的であるところが良いですね。キャラのブレが多いと言われていますが、むしろ最も少ないキャラなのではないのかな……。一貫して「最終的に自分が幸せになるために」という思想が見えるんですよね。

まあ実際あんな人が身近にいたら嫌だろうけども……。

 

このセカンド・シーズンは「撫子がラスボス」という流れがありますが、撫子が全て悪いわけではないというのがミソですよね。

そもそもそこまで撫子に過負荷をかけたのはクラスメイトや先生等です……が、彼らも別に好き好んでギスギスと諍いを起こしているわけでもなく、おまじない事件があったからこそなんですね。

そのおまじない事件は誰が引き起こしたのか、まあ貝木泥舟ですよね。そもそもこの一連の事件、発端は貝木泥舟の詐欺にあったわけです。

貝木泥舟が引き起こした事件を、恋物語で貝木泥舟が更に詐欺にかけることで解決しようとするメビウスループ的な流れは思わず「おー」と唸ってしまいましたね。

 

 恋物語

 猫物語白に次いで面白かったです。

語り手が貝木泥舟の時点である程度勝ちは確定しているというか……裏技を惜しげも無く使ってきたという印象があります。まあ阿良々木くんの物語に若干飽きていたというのも……間違いなくあると思います。

 
 撫子のオチはそこだけ切り取ると実に荒唐無稽な感じがしますけれども、実はオーディオコメンタリーとかでちょいちょい漫画好きなところは垣間見えていましたし、なにより「誰にも思いもよらないこと」だからこそ「夢」としての説得力があると思うんですよね。
突然出てきた「漫画家」という要素だからこそ、ある意味で「夢」としてすんなり受け入れられたんですよ。
他人の「夢」ってそう簡単に知ることなんてできないじゃないですか。それがまたリアルというか。この漫画家って夢は絶妙な「言われてみればそういうところもあったかも」と思えるチョイスだと思います。実際、撫子ってどういう子なのかわからない、という認識を逆手にとった構成。このオチは結構好きです。
 
物語を終えたあとの貝木視点から阿良々木くんをみると、実に彼が疎ましくみえるのは演出が上手いなあと。貝木泥舟サイドに感情移入しすぎていて、阿良々木くんの粗忽さに対する嫌悪感が具体的になりますね。
改めて「阿良々木暦」という人間がどういう人間なのかを描き出す物語でもあったと思います。
 

話のオチで貝木があんな感じになってしまうわけですが、貝木泥舟から始まったものがたりが、あらゆるルートを巡って貝木に帰結するという一連の流れになっており、物語的にすごく美しい。

そしてループが破綻することで新しいルートが生まれるというのもニヤリとさせられるポイントですね。

 

副音声の羽川VS扇は実に聴き応えがありました。

扇「三重人格の人に言われても……」

翼「今は一重ですぅ……」

 の流れは可愛すぎましたね! 羽川は猫物語白を経て、どんどんと人間味が溢れる性格になってきていますね。最高ですね。フェザコンなんで、羽川に対する評価はひどく甘いです。

でも身の回りに羽川が好きだっていう人があまりいないです。なぜだ。

 

花物語

花物語は副音声がとても素晴らしいですね。全編に渡って神原VS扇という形式は実に面白かった。キレキャラと化した神原と飄々とそれを受け流す扇くんの組み合わせは実に軽妙。本編は一度の視聴だったけれど、副音声は何度も聴いてしまった。良いねー。

神原は言論を真っ向から受け止めてくれない相手に対するとこんな反応になってしまうのだなあ……。ドMだなー。

 

内容にも軽く触れると……まあ神原の別の側面が見えるというか。語り部になることで彼女がそれほどトチ狂った人ではないというのがよくわかりますね。彼女はそう言われることを憤ってましたが、実に常識的な感覚の持ち主であることが改めて提示されました。内容も物語シリーズの中では真面目な流れが多かったように思います。

その分、副音声は弾けまくってましたね。西尾維新はバランサーだなー。

 

内容はそれほど突出していたわけでもないですが、全体的に青臭くてよかったです。

まよいマイマイなでこメドゥーサにもあった、読者の認識外からの真実を明かすパターンですね。いわゆる叙述トリック。世界シリーズでも多用していましたし、西尾先生はミステリー的な下敷きで作品を書くことが多いですね。

バスケをしようぜ! からの流れは伏線を回収をしつつ実に神原らしい決着の仕方でよかったです。神原が理詰めで物語を解決したらそれはちょっとナシかなーという感じだったので。

 

それにしても阿良々木くんがキモすぎて笑った。いささかキモすぎるでしょうあれは。神原のポニテ姿はめっちゃ可愛かったですけどね。ポニテとメガネは個人的な二大萌え属性ですね。別にこれは聴いてなかったですね。

 

百合OPは「こういう世界線もあったんだな」とやんわり想起することができて、それとなく物語に幅をもたせていましたね。歌はアンビバレントのほうが好きですが。

ガチャガチャした展開の曲よりもストレートなほうが似合うなと改めて思いました。

ただ、今回の物語を省みると、あの錯綜とした感じが逆に神原らしさでもありますよね。

するがモンキーでは神原の一途さや、実直さを表現している反面で、するがデビルでは神原の意外な沈着さ、ややクレバーな面、端的に言えば性格の良し悪しが見えた物語でもあったので、この振り幅も曲とリンクしている気がしました。

 

視聴後には焼き肉が食べたくなりました。肉を食え、肉を。

 

総括

長すぎぃ!! 後半の文章がちょっとへろへろしてるのは我ながらどうかと思いますね。7000字くらいあるらしいですよこの文……アホか。

まあ作品に関してですが、さすが西尾維新と言ったところでしょうか。ちょっと贔屓目でみている気もしますが、やはり平均点はどれも超えている感じがします。凡百には収まらない煌めきがある。

物語シリーズ及び西尾維新には「考え過ぎたくなる余地や可能性」があるのがいいですよね。

西尾作品は「作品に対する過剰な信頼感」がありますね。

「きっと物語シリーズなんだから、ここまで考えて作ってくれているに違いない。西尾維新なんだから、ここまで想定して執筆しているにきまっている」と思える信頼感があるというか……。

それはここまで積み上げてきた西尾維新物語シリーズというブランドの力もありますし、やっぱり作品全体に地力がある……と思うんですけど、さすがにこれはファン目線に立ちすぎている気がしますね。

物語シリーズの全てを褒められるかと問われれば、答えはノーですし。

個人的にも世界シリーズよりも作品としての練度は下がっているような気がしなくもない……。そんなもん好みだろ、といわれたらそれまでなんですけど……やはりもっと重厚かつシニカルな西尾維新がみたいなーと思わずにはいられません。

しかし物語シリーズならではの軽やかさもそれはそれで楽しいものでもあるし、こればかりは本当に好みでしかないな……と。好みでない話にも関わらず、ここまで視聴者を語らせてくれる物語もなかなかないな……と。

改めて西尾維新の懐の深さを痛感した次第であります。

これからファイナルシーズンが控えていますし、どんどんと物語も収束に向かっていくことだろうと思いますが、そんな最後に向けて僕が思うことはただひとつです……

 

傷物語はどうなってるんでしょうね……ってことです。



どうなってるんでしょうねえ……

 

追記

結局やるんか~~~~~~~い

 

感想書いたわ~~~~~~~~~~。

 

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