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あ、これ絶対おもしろいやつだ「忘却のサチコ・阿部潤・感想」

 

 忘却のサチコを読みました。

忘却のサチコ 1 (ビッグコミックス)

忘却のサチコ 1 (ビッグコミックス)

 

 非常に面白い。続刊が待ち遠しい!ってタイプではないけれど、読んでいる間中は多幸感に包まれていられるタイプの漫画。ずっとニヤニヤしながら読んでいました。

 

この漫画、すごく端的に言うと……主人公サチコが不可思議な理由で男に捨てられたのだけれども、それを日中思い出してしまい困っていると。

しかしおいしいものを食べているときだけ、それを忘れられる。

だからおいしいものを探し求めよう! という漫画。

 

まあグルメ漫画好きの僕なら絶対好みだよなーと思いながら手にとってみたのですが、食事シーンにいくまでもなく「あ、これ絶対におもしろいやつだ」と確信しました。

 

それは結婚式にてサチコが素っ頓狂なタイミングで母親への謝辞を述べるシーン。

それに対するお母さんのセリフがものすごくツボだったんです。

 

「そんなの急に言われてもお母さん泣けない!!

「泣くどころかビックリしちゃった!!「このタイミングで言うか?」「言うってか?」って」

「こういう時は親をちゃんと泣かせるものなの! いい? コっちゃん!」

「お母さん、普通の安っぽいドラマみたいに、ただ泣きたいだけなの!」

「それをねビデオに撮りたいの!! 撮ったらさんまのテレビに投稿したいの!!

 この一連のセリフ。最高なんですよね。

特に太字にした部分がなんとも言えずツボ。

リズムも歯切れもいいし、言葉の選び方もちょっと捻くれてるのに淀みなく入ってくる。センスがめっちゃいいですね。

それに加えてこのシーン。サチコの性格を表現しつつ、次のシーンの繋ぎにもなっているという技も込められていて「おいおい最高だな!」と初っ端からこの漫画に対する信頼感を高めました。

 

 そして「俊吾のことが本当に好きだったなんて……」とおばあちゃんと共に認識するシーンも序盤なのに既にちょっとしたカタルシスがあるんですよ。

そこに至るまでに過剰なまでに「サチコってこういう人ですよー」というのを描いているから。

ちゃんと「彼女にとっての未曾有の事態」ということを読み手をすんなりと納得できる。

そのうえで「引き」「惹き」が生まれている。

僕はここで「あ、このあとからどうなるんだろう?」と思ったし、サチコがとても魅力的なキャラだと思いました。大げさなまでのギャップの提示なのに厭らしさを感じない。

キャラが魅力的にみえる瞬間は「キャラ表現した後での弱点の提示」だと僕は思っているのですが、それをこんな即座にやられてしまったらもう最高という他ないですよね。

 

もうこの作品、単純に「漫画としてすごく上手い」って思うんですよね。

サチコが俊吾に心の仏壇を作ってから家を出るまでの一連の流れも素晴らしい。

まず「心の仏壇を作ってしまう異質さ」を表現して、一コマの中でふたつの動作を行ったり、曜日ごとに服を決めている様を演出、その後にもう一度仏壇に向き合うサチコ。

無駄を嫌い、効率を重視するサチコが、二度も仏壇に向かってしまう様。それだけで「あ、そこまで大きな出来事だったんだな」と再認識できるわけですよ。

うめえなあ……と。うますぎるなあ……と。

情報量が豊富なのに、すごく読みやすいんですよね。読み応えのある充足感がありつつも、純粋エンタメとしてさらっと読めたりもする。

読み方の許容範囲がものすごく広いんだと思います。

 

ふと暇なときに「なにか読みたいなー」とぼんやり手に取ってしまい、最後まで読んでしまう……。そんな漫画だと思いました。

忘却のサチコ 2 (ビッグコミックス)

忘却のサチコ 2 (ビッグコミックス)

 

続き出ているみたいなんで買ってきます!

 

 

開始早々で「あ、これ絶対におもしろいやつだ」と確信できた他の作品といえば

 これですかね。最初の導入から「ああ、もう絶対おもしろいわコレ」と確信をもって読み進めそして見事に期待に応えてくれた作品です。

 

くわしくはこちらの感想で

機会があればこちらも読んでみてはいかがでしょうか。イシデ先生も好きだなー。

 

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