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横たわる現実がある「リアル・14巻感想」

漫画

 

リアルの14巻を読みました

REAL 14 (ヤングジャンプコミックス)

REAL 14 (ヤングジャンプコミックス)

 

 

なかなか刊行されないので、本屋に並んでいるだけで思わず顔がほころんでしまいます。刊行されるだけである程度の幸福感が得られるという稀有な作品ですね。キノの旅とかもそういうタイプの作品です。

 

この作品に関しては……もう語ることが野暮に思えてきますね。

「リアル」の名に相応しい。読んでいると物語が自分に跳ね返ってくる人間模様は、心揺さぶられずにはいられません。長い年月、連載しているにも関わらず、描こうとしている物語の根幹である「それでも生きていくこと」がブレないのは、本当に凄い。

この作品の凄さは、寄り道がないところだと思います。物語の道筋は非常にジグザグと安定していないのに、結局のところ最短距離を走っている感覚というか。必要ないと思っていたストーリーが全て後につながってくる。

描かなければいけない物語を、確実に描き続けている作品が「リアル」だと思うのです。そして後期スラムダンク以降の井上作品だと思います。

物語の進行を遅いと思われがちですが、「けどこれを省いたら物語として破綻するだろう」というものばかりなので、このペースであることもしょうがないと思います。

 

この本の内容とはまったく関係ないのですが、僕の中でふと印象に残った出来事があって……会社帰りに、同僚の人とコンビニに行ったときにコミックコーナーにリアルが置いてあったんですね。

僕は基本的に本は書店で買いたいのでスルーしたのですが、同僚が手にとっていたんです。その光景に僕は些か驚きまして。なぜなら同僚は「本、漫画ですらもあまり読まない」と言っていたからです。

なので、思わず「漫画なんて読むんですね」と尋ねてみると

「これだけは出ると買っちゃうんだよな」と答え「漫画で泣いたのは、この作品だけだよ」とぽつりと漏らしました。

あまり感情をおもてに出さない人で、映画なども「面白かった」などの簡易な感想のみで、自分でも「あまり深く物語を読み込まない」と言うタイプの人だったので、その答えに僕は非常に驚きました。

「リアル」という作品が人にどう作用しているのか、なんとなく理解できた話だったので、わかりづらいとは思いますが掲載してみました。

 

リアルが描く「どうしても目を背けることのできない現実」は誰にでも作用するのだな、というのを感じたひとつのエピソードではないかと僕は思いました。

どこかに捨てることのできない現実が横たわっている漫画、それがリアルだと思います。

この物語の完結は本当に予想がつかないですし、どんな終わりになっても「それこそがリアル」ということになってしまいそうですね。

 

本当に強靭な芯のある物語だと思います。どうあってもブレない。

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