読者には誤読の権利がある

だから勘違いした感想書いてても許してほしい

是非これをラブストーリーと呼びたい「鍵泥棒のメソッド・感想」

 

鍵泥棒のメソッドを観ました!!

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最高でしたね。最高。この作品は本当に素晴らしい。

ネタバレしてるので観てない方は気をつけたほうがいいです。

 

 

導入の素晴らしさ

たった3分でヒロインがどういうキャラなのかを無駄なく処理しきったセンスの塊みたいな幕開けをみて「あ、もうこの映画、絶対おもしろいわ」と確信しました。

一瞬で興味を惹かれた。やっぱり映画にしても小説にしても導入って大事ですね。これがちゃんとしているかしてないかで、その後の2時間の楽しさがまるで違う。本当に素晴らしい導入だった。

「プライベートなことなのですが、結婚することにしました。まだ相手は決まってないのですが」

「結婚相手に求める条件は?」「健康で……努力家の方であれば……」

 普通のやりとりなのに、すっげえ興奮した。セリフ回しがウマすぎる。

 

そのセリフを語るのが広末涼子さんなのですが、恋しそうになりましたね

僕は年齢的には広末直撃世代ではないのですが、彼女の透明感は素晴らしいと思いました。現在はかつての透明感は薄れてしまったのですが、それでも美しくそれでいて面白い。昔も好きだったけど、また一瞬で恋に落ちてしまった。化粧が薄い感じで幸の薄い感じなんだけれど、それでも圧倒的に綺麗だった。

 

それに加えて、固めでどこかコメディチックな演技も見事にこなしていて、堺さんと香川さんという名演俳優達に引けをとってなかったよ。

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まあ眼鏡をかけているっていうのが一番なんですけどね。眼鏡万歳。かけていればかけているほどよい(?

 

 

本編感想

僕はやはり「全てを失った人がなにかを獲得していく話」が好きなんです。

この作品で一番ドキドキしたのは、記憶を失った香川さんが徐々に地盤を固めていくシーンでした。自分に対する理解を深める為にノートを買ったり、演劇のバイトを始めたり……そういうシーンが凄くよかった。

 

ドラクエははがねのつるぎを手に入れるまでが一番おもしろい」っていう意見をよく聞くのですが、僕の場合は「どうのつるぎ」を手に入れたあたりが一番好きなんです。ちょっと物資とかが揃い始めて、自分のやれそうなことが見え始めたあたりっていうのが一番好きなんです。

そんな感覚を中盤のシーンで感じましたね。「もうこういう感じのだーいすきー!」って興奮しちゃいましたよ。

 

「誰もが不幸せそうな状況下」、から「具体的になにかと明言はできないけれど『なにか』がうまくいきそうな感覚」に流れていくのが好きなんです。なので「家出」とか「失業」ってワードが物語で出現するとワクワクします。

「現状がなんらかの理由でリセット」→「そこから這い上がる努力」という描写が好きなのかもしれません。

この「リセット」が大事で、ただ頑張っているだけではダメなんですよね。家出とか失業や記憶喪失など、なにかしらのリセット要素がないとダメなんですよね。

生まれ変わるとかそういう要素が好きだからでしょうか。

 

記憶喪失の後にどう展開していくのかな……と思っていたが、やっぱり内田監督はすごい。

全ての事象が混濁としていきながらも、最終的に収束していくまでの流れが秀逸すぎる。計算されつくされていて全てのシーンに無駄がない。ベートーヴェンも胸キュンもノートも、全てがラストに繋がる為の要素、そして伏線になっているという点が凄くいい。

凄く丁寧な脚本つくりをしたんだなという印象を受けました。しかしバカ丁寧にやろうとすると「固い」という印象を受けてしまうことが多いのですけれども、それでも全体に漂う雰囲気はあくまで喜劇! どこまでも軽やか!

これが素晴らしい!

堺を香川を殺すフリをするところを、広末が目撃してしまうシーン。この「起こったら面白いんだろなー」といういわゆるお約束シーンは必然性がないと、ご都合主義だと感じてしまい途端に冷める……が! 広末のキャラを序盤にしっかり固めておいたので、その作劇にムリがない。「ああ、やりかねん」と思わせる。納得してしまう。

丁寧な下地があるからこそ、多少の御都合主義を受け入れられるんですね。

ほんといい仕事。内田けんじ作品にハズレなし!

 

 

映像的な上手さ

脚本のほうは非常に丁寧なつくりですが、映像面も同じくらい素晴らしい。

事態は混乱としているのに、素直に鑑賞できる。「あれ? これなんだろ?」と思う謎の種は、時間がたつと思わぬ発芽をしていて、とにかく無駄がない。

言葉ではなく、映像で理解させる技法が巧みですね。

 

「この人はこういう人なんですよー」っていう自己紹介を3人分やってたら尺が足りないから、部屋の散らかし方で示唆させたり、三者三様のメモの取り方で三人の性格の違いを表現したりと、あらゆる手段を用いて情報を与えてくる。

映像作品であること必然性がある作品だと強く思った。全ての行動に意味や意図があるし、それらが無駄に終わらず次の展開に連鎖して、最終的に興奮を産んでくれる。

作劇、映像面、どちらに関しても非常に機微を大事にした丁寧な作品だと思います。

 

 

まとめ:これはラブストーリーだ!!

いやこれはラブストーリーでしょう。

なにせどのキャラも最終的に行き着くところが「ラブ」なんですもん。

ここまで入り込んだ作りにしておいて、着地点がそこだなんてなんかもう完璧じゃないですか。

どのキャラクターも根底にある感情、行動の原動力、それら全てが「ラブ」なんですもん。

 

これほどまでに感情の入り組んだ作品なのに、非常に観た後にスッキリしているのは「この話の主軸にあるのは愛なのか」と簡単に理解できるからだと思うんです。

しかもそれをわかりやすいように、胸キュンの伏線を回収してアウトプットするんだもんなー。ホント丁寧な仕事しているなあ。

これを喜劇的に落とすのはちょっと勇気いると思う。もっと感動的にしちゃう方法もあったと思うんですけれど、それをせずに「フフッ」と笑える感じにオトす。ここすごくセンスいいなーと思った。

もっと劇的な展開にして「感動のラスト!」って煽りを入れることも設定上いくらでもできたかと思うのですが、それをしない勇気!

最後に地味にガバッっとふたりがわざとらしく手を広げるあたりで「よっし!」って思いましたね。

非常にオススメな作品です!!!

 

 

 鍵泥棒×名探偵コナン

 コナンの世界と鍵泥棒の世界がコラボする作品。

ぶっちゃけ映画に関してはあんまり興味ないんだけど、青山剛昌先生と内田けんじ監督がコメンタリーしているんですよね。

そんなの聴きたいに決まってるだろ!!

 

 

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