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読者には誤読の権利がある

だから勘違いした感想書いてても許してほしい

期待をさせる作品「うせもの宿1巻・感想」

漫画

 

うせもの宿を読みました

 

うせもの宿 1 (フラワーコミックスアルファ)

うせもの宿 1 (フラワーコミックスアルファ)

 

 

 

ってことで、式の前日とさよならソルシエにつづいて、ついに穂積先生連載!って作品が刊行されたわけですが……ちょっと感想書いていきますね。

軽くネタバレしているので、未読の方は注意です。クリティカルに内容には触れていないですが、微塵も情報を入れたくないという方は注意。

 

 

相変わらずの穂積イズム

面白かったですよ。

情緒的な語り口と美麗な絵。巧妙なストーリーライン。

とても穂積先生らしい作品だなあ……と思いました。

ただ一話二話までは「こんなもんかよ?」と思ってしまったことは否めないです。

二話まではかなり退屈でしたねえ。

あれ? 穂積先生なのに話にキレがないな。なんか普通の短編みたいだ……と思ってました。

いや普通に面白いし、作劇も丁寧なんですけど……式の前日で味わった「うおお、心掻き毟られるわあ」っていう感じがないというか。二話とかは「イイハナシダナー」で終わっちゃったんですよね。

 

しかしながら随所で「ん? なんだその言い回し」ということがあったので、たぶんこの二話までは下積みの期間なんだろうなーと思っていたところ……三話での宿にいる人間に共通する事実が明かされたところで「ああ……やっと穂積先生っぽくなってきた……」と安心しました。

その後はいつもどおり、叙述的な描写で読者を撹乱しつつ、感傷的にならざるをえない人間模様を描く穂積イズムが炸裂していました。

でもまだ爆発力不足って感じ。

個人的にはもっと深くまで踏み込んでほしいんですよ。読んでいて思わず吐き気がしてしまうようなゲスさと、震えずにはいられないようなストーリーを読ませてほしい。さよならソルシエで味わった感動をまた体感させてほしい。

 

この作品の到達点はどこか

ただ、これはまだ「設定」が明かされただけなんですよね。

なにせ1巻。当然ながらまだ続きがある物語です。

3話で明かされた宿の秘密ですけれど、それが大きな物語の真相……というわけではなく作品としての下敷きなだけ。

たかだか「設定のひとつ」を出しただけなんですよ。

ワンピースで例えるなら「ルフィはワンピースというものを探していて、ゴム人間である」くらいしか情報を開示してないんですね。

それだけで面白い面白くないの判断は難しいかな……と思います。

作品の根幹が現れた結果をみてから、面白いか否かを判断したいと思います。

 

むしろ「設定」すら物語に入れ込んで、読者を騙しながら公開するあたりこそが穂積先生らしさかもしれません。

どこまでもエンターテイメントでありながら、どこまでも捻くれているのが穂積らしさ。

入間人間先生に似通ったところがあるかもしれないなーと思いました。

 

この1巻で全てを評価することはできない……けれど、1巻の出来としては「どうなんだろう?」と首を捻る感じ。

穂積先生らしい作品ではあるのですが、手放しで「素晴らしい! これは最高だ!」と言える自信はない……というか断定できないという感じ。

しかし連載作品なので、もう少し見届けてから「うせもの宿」という作品の評価を定めたいなと思いました。

 

「1巻まるごと「伏線」の巻だったな」

「まさか1巻のあの描写が伏線だったなんてね……」

といえるようなラストが待ち受けていることを期待しています。

 

 ってことで、穂積イズム炸裂の「式の前日」も推しときますね。

式の前日 (フラワーコミックス)

式の前日 (フラワーコミックス)

 

 手っ取り早く「穂積感」を理解したい人はこちらを読めばいいと思います。

ただ……これが売れすぎたせいで、悪い意味で穂積というブランドが確立してしまった感があるので、それもどうなんだろうなあ……と思わずにはいられない。

伏線回収だけが物語の面白さじゃないと思うんだけどなあ……。

びっくりできればいい作品ってもんじゃないでしょうよ……って思うんですけど、どうでしょう?

 

 

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