読者には誤読の権利がある

だから勘違いした感想書いてても許してほしい

青空の下「ソラミちゃんの唄」

 

ソラミちゃんの唄を読みました

ソラミちゃんの唄 (2) (まんがタイムKRコミックス)

ソラミちゃんの唄 (2) (まんがタイムKRコミックス)

 

 普段、四コマ系は正直読まないのですが……ノッツさんの描く漫画や作り出す音楽が好きなので、手を広げてみようかな……という感じで読んだのですが、面白かったですね。

宅録音少女が主人公だなんて、すっごくノッツ先生っぽくていいですね。

 

四コマであることの意地

僕がこの漫画を読んで感じたことは、四コマ漫画であることを常に意識しながら書いているな……という点です。

正直、昨今の四コマって起承転結の流れの作品ではないものが多いですよね。四コマ目でオチがある四コマ作品は正直少ないくらいじゃないでしょうか。

四コマでオチがありつつストーリーを描いている最たる例はあずまんが大王だと思います。僕はああいった四コマなら好きなのですが、残念ながら四コマが四コマとして機能してない漫画は好きじゃないです。

しかし、実際のところそうも言っていられないのが実情なんでしょう。

四コマは元来、話を切り取ってつくられる場合が多い。そこに連作のストーリーを想起させる必要がないからこそ、起承転結でまとめることができるのだと思うのです。コボちゃんとか基本的に一話一話の間は別の話じゃないですか。

主題があってそれに則った話を描いているわけですよね。

ソラミちゃんをはじめとしたストーリーものの四コマ漫画にそれを求めるのが不可能だと思うんです。

普通の漫画は四コマで起承転結つかないじゃないですか。

それなのに、四コマに起承転結のオチつけてストーリーも転がせっていうところを求めるのが、土台無理な話なんですよ。

根本的な表現技法として、四コマストーリーものは大いに欠陥を抱えているんです。

まあそれをやってみせる人もいるんですけど、実際それほど多いとは思いません。

 

でもソラミちゃんは頑張ってたなあと思うんですよね。

始めっから「いやこの四コマの枠組みの中で起承転結を起こすのは無理」と諦めている漫画はあるんですけど、それをソラミちゃんは放棄しなかった。

なんとかオチをつけるぞ! という気概が作品からみられた。こういう努力が垣間見えると僕はどうしても作品のことを好きになってしまう。

実際四コマでオチてないところも多々あるんですけど、そのときは物語をドライブさせる必要性のあるところが多くて許せた。

たぶんこの姿勢は意地だったんじゃないかな。はっきりいって、もう今のご時世四コマにストーリーがないことは大して珍しい話じゃないから、放棄しちゃってもなにひとつ問題ないんだよね。

けど、それをしなかったのはノッツ先生の意地だったんだと思う。

意地というよりも矜持といったほうが適しているかもしれない。

 

エンタメ作品として

まあ四コマが云々という話は置いておいても、普通のエンタメ作品としては優秀だと思う。

正直最初のほうは「あー微妙かなー」と思っていたけれど、後半になってくるとキャラも立ってきて、みんなが楽しそうにしているだけで「いいなあ」と思える魅力があった。

特に1巻の後半(学園祭ライブあたり)からのドライブのかかりっぷりは素晴らしかった。

キャラがキラキラと輝きだして、それぞれがそれぞれの進む道を選んでいく姿は、読んでいて愛おしさを感じたし読後には多幸感もあった。

着地の仕方も綺麗で、もう少し長くこの物語を読んでいたかったなあ……と思いつつも「これでよかったな」と思える出来でした。

ソラミがかつてもっていた社交性を取り戻さないまま、新しい自分を受け入れて進んでいく姿にはグッときてしまいましたね。

 

個人的に音楽好きだし、宅録もしているから楽しめたところもあるだろうけれど、それでも万人に届けようとする姿勢もみられたのが好感度高い。宅録を知っているからこそ笑えるネタもあり、このあたりはバランスがいいなあと思った。

 

読み方として、一度読んだあとにだらだら読み返すほうが面白さが増すなーと思います。

それは似非四コマ形態の長所かもしれません。区切りが明確にあるぶん、再読しやすいというところがいいのかも。

 

ただノッツ先生は器用なのでこういうエンタメ的作品も描けるとは思うのですが、個人的にはピクシブとかに載っているようなリビドー全開の作品も描いてほしいなあ……と思わずにはいられないですね。

 

 よかったら是非。

ソラミちゃんの唄 (1) (まんがタイムKRコミックス)

ソラミちゃんの唄 (1) (まんがタイムKRコミックス)

 

 

余談

個人的にはノッツ先生が今夏書いたこのシリーズは最高だと思う。


「そんな夏休みを過ごしたいだけの人生だった」/「ノッツ」の漫画 [pixiv]

 

本当にこんな夏が過ごせたら最高だな……と思いながら灰色の夏を過ごしました

こちらもよろしければ、是非。

 

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