読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

読者には誤読の権利がある

だから勘違いした感想書いてても許してほしい

Call your name 「餅巣菓さんに呼ばれる・感想」

漫画

 

餅巣菓さんに呼ばれる読みました。

 

「餅巣菓さんに呼ばれる」が連載されていたアオハルという雑誌は僕が上京してから唯一定期購読している雑誌でした。

10年以上読んでいたジャンプを読まなくなってしまったので、定期的に読める好みの雑誌はないかなーと探していたところに出会ったのがアオハル。

僕の好みのツボを刺激する最高の漫画がたくさん掲載されていました。

 

その中でも「餅巣菓さんに呼ばれる」は非常に好んで読んでいた漫画のひとつでした。

ということで下から感想。

 

 

「餅巣菓さんに呼ばれる」は万人受けしない……が

これは誰も異論はないと思うんです。あとがきでも書かれているように「ピンとこない人にはまったくピンとこないけど、好きな人は究極に好き」なタイプのヒロインが餅巣菓さんだと思うんですよ。

しかしこういう「自分が考える最強のヒロインがどれだけ可愛いか表現してやるぞ」って気概がみられる作品は好感度高いですね。

なによりマスに受けようとする気概をかなぐり捨ててる姿勢が好感度高いです。

物語の骨子は非常にわかりやすいボーイミーツガール物なのに、そのガールを餅巣菓さんにすることで、これほどまでにマスにウケる匂いがしなくなるのはいっそ凄い。

イシデ電先生がストレートを投げるとこういう作品になるんですね。ストレートなのに超変化球に見えるというのは凄い個性だ。

 

 

 餅巣菓さんの登場人物は「人間臭い」

餅巣菓さんがやたらと一般的な感性から離れているせいか、そのバランスをとるように他の登場人物がいちいち人間臭いのが凄くいいです。。

特に香田くんなんて「女の子の見た目や性格に多少の難があっても別にいいけど、大物政治家の娘とかそういうレベルだと無理なタイプ」なんていう、ね……。もうわかる! って感じで膝を叩いてしまう。

 

そんな人間臭いキャラの中でも、特に笹原さんが作中通して僕は一番好きでした。

彼女は話の風呂敷を畳む為にでてきたキャラではあるのですが、彼女の人間臭い好意が凄くグッとくるんですよね。

「じゃあ えんりょしなくてもよかったのかなあ」とかギリギリ現実の世界でも聞けそうなセリフな感じがして、すごくときめいてしまった。

ポッと出のモブを一撃でメイン級に引き上げることに納得できるセリフ。

 

 

そんなセリフの中でも笹原さんの

「『このふたり、どうやって別れんだろ』って期待されてる空気すごいですね わたしたち」

が本当に素晴らしい。

話を畳む為に出てきたキャラクターなのを自覚しているという不遇のセリフ!

このセリフ、無意識に読者の感情を物語に押しこめつつもメタ的に指摘してるんですよね。会社内の人達の感情を描くと同時に、読者への警鐘にもなっているんですよ。

「餅巣菓さんがヒロインなのだから、このふたりは別れる運命にあるんだろうなー」と無意識に読者は思っていて「どういうふうに展開するのかな……」と考えていたところにこのセリフですよ。

「お前らもそう思ってんだろ!」っていう警鐘に僕は思えた。そしてまったくもってその通りだった。無意識に「物語のセオリー的には笹原さんはフラれる運命にある」と思い込んでいた。

完全に手のひらで踊らされてます。すげえびっくりした。

サイドヒロインに課せられた運命を一言で描き切ったのが凄い。

 

 

そして、だからこそ……でしょうか。

その好意に思わず応えてしまう香田くんの心の動きがやたらとリアルで、出した答えも責められないほどリアルで、出てくる言い訳も熟考する必要もなく頷けてしまうものだったんですよね。

「この子フンのもったいない――って思うのそんなに"さいてー"なのかな……」

とか心にぶっ刺さるんですよね。

「あ、そうだよな」って。人は誰かに純愛を求めすぎなんだよな、と。

読者としては「餅巣菓さんと香田くんが結ばれるべき」という考えが先行しすぎて、笹原さんと付き合う香田くんに対して「えー」と思わざるをえないわけですが、冷静に考えれば香田くんの言い分にうなずいてしまう。

イシデ電先生は感情的な部分で納得させるのが本当に上手いなあ。香田くんのことを「サイテー」と切り捨てることをさせてくれなかった時点でもう先生の手中だったんだろうなあ。

 

すごい正しく恋愛漫画だと思いました。

 

 

そして「宇宙の真理の到達の仕方」が最高でした。確かに宇宙の真理に到達したならば、時空を超越することなど容易い。落とし方もうまいなー。

マジで否の付け所がない。

 

まとめ

この「餅巣菓さんに呼ばれて」は間違いなく人を選ぶ作品です。琴線に触れなければ、よくわからない漫画で終わることは間違いないと思います。

ただ個人的にはドツボな作品なので、自信をもって薦めたい。

これが面白いと思うやつと一晩語り合いたい、と思いました。

後半、おそらく雑誌の都合上やや駆け足になったのがちょっと惜しいです。もっとじっくりあの会社内の物語を描いてほしかった……。もっと読みたかった。

しかし、しかしできるならばあと二巻は続くべき、続けるべき作品だったように僕は思います。最後の2話は描き下ろしなのですが……かなりコンパクトでまとまってますが、もっともっと革新に迫らず作者が考える「餅巣菓さん」という理想の女の子の活躍を見守りたかった。

 

 

余談

……あとですね、これは完全に自慢なんですが

 

f:id:sichisichi49:20140910132751j:plain

僕の餅巣菓さんに呼ばれてはサイン本なんです。

いいだろ、羨ましがれ。

あと帯の「彼女の可愛さに誰も気づきませんように」をみたとき、スピッツの「大宮サンセット」を思い出しました。

 

 

イシデ電さんに反応もらったー!!!嬉しい!!!!!!!!

めちゃくちゃ嬉しい!!!!!

広告を非表示にする