読者には誤読の権利がある

だから勘違いした感想書いてても許してほしい

合コンに行ったらとんでもないことが起こりました読んでもとんでもないことが起こらないことがわかりました。

 

薄給のくせに月末になるとほんのり忙しい我が社ですが、普通の会社に比べたら明らかに忙しくないので文句は……言います。仕事やめたい。

もはやどんな仕事であっても、おそらく働くこと自体が向いていないというタイプの人間なので、日に日に怠惰になるばかりです。心の底からヒモになりたいですね。

どこかに僕のことを適度に放っておいてくれて、月に十万くらい定期的に送金してくれる子供に甘い親みたいな女の人はいないものか。どこにいったら会えるんだ。

巫女コスが似合うメガネっ子はどこにいったら会えるんだ。

 

やはり最良の出会いというのは行動しないと見つからないといいます。

やはりそうなると合コンでしょうか。

もはや響きだけでもイライラきちゃう感じですね。

合コンの敷居をぐっとあげるとお見合いになると僕は思うのですがいかが?

合コンに素敵なメガネ女子が到来する確立なんて、大層なもんだろうと思うわけですが、やはり行動しないことには結局0%のままです。

これではいけない。

ただそれに参加することすらも強烈に億劫なので、机上でどうにかできないかと思ってこれを読んでました。

 

うーん薄いっ。

いや、物理的なページ数が少ないとかそういう話ではなく、内容が薄いなあ……と思いまして。なんつーか2chのリアルにあった怖いスレを引き延ばしただけの作品としか思えないといいますか。

あれってあの短さと手軽さだからこそ、怖さが増幅されていると思うんですよ。あの手軽なタッチだからこそグイグイ読んじゃって引き込まれるんだと思うんですね。いくらか描写を省いているからこそ想像力を引き立てると思うんですよ。

でもいわゆるラノベ的文法でホラーテイストしてもやっぱり意味ないんですよ。

 

一応最初に肯定したいのは、この作者おそらく頭がいいです。なにやらせても平均点までは易々といけるタイプの人間だと思う。

物語の骨組みもしっかりしてるし、伏線もきちっと入れてある、笑わせるところでは笑わせて、どんでん返しもある……けど、まあそれだけなんだよなあって作家なんですよね。

この小説って世間の思う「面白い小説」の文法を丁寧になぞっただけの作品にしか思えなかったんです。

強烈に伝わってくる「なにか」がまるでない。

小説の書き方を学んだ作者が60点の作品つくりましたって感じ。

伝えてくる「なにか」を度外視しても、細やかな雑さが目についた。

特にあらゆる行動の理由。ざっくりいうと心理描写。凄く雑。読んでいて萎えまくった。

この場面でこの設定のキャラクターはこういう思考及び行動とらないでしょ? ってことを平気でやらかす。それが意外性に繋がればいいんですけど、意外性ってのは基盤があるからこそ光るものなんですよ。

ある一定の条件下の場合においてのみ、普段冷静なキャラクターが激情に駆られる。そういったものが意外性だと僕は思っているんですよ。

その条件はクリアーしているけれど、そこまでの基盤がしっかりしていないが為に、ただのアホキャラにしか見えないってのが、この物語の根本的失敗だと思います。

この作品の肝になるべく動機が弱すぎるのもキツかった。

特に柏木さんの昔話の独白のところはマジで本をぶん投げそうになった。少女マンガみたいに自分のトラウマをぺらぺら話すような人間だな、ということで彼女の秘密に対する強い思いが軽く見えちゃってるんですよ。意味ねえなーと。

そんな些細なことで人間はここまで狂える」ってのを表現したいのかもしれないけれど、それなら表現方法を変えるべきだった。

最初の文はそういう意図も込めてると思うんですよ、後々の伏線回収の意味合いもあるけれど、誰もが経験したことのある些細なことがとんでもない結果を巻き起こす……というものが書きたいならば、主人公を変えるべきでしたね。僕はそう思います。

とにかく主人公に魅力がないのがしんどかった。読んでいて本当にしんどかった。終始スベってるギャグもキツかったし、語り口もキャラをばらけさせていて一貫性がない。

第一こんな童貞はいない。

 

気を取り直しての感想

非常に小手先だけで物語を書いている感触が強いんですよね。逆に言えば小手先だけで書けるということはそれだけ地力があるってことなんですけど、残念ながら僕にはそういう作品はあんまり響いてこないです。

だから秀作だとは思うんですけど、だからなんですか? って気持ちのほうが強い。

小奇麗にまとまったものより、強烈なリビドーが炸裂してるもののほうがやっぱり響くんですよ、生憎まだまだ中二病真っ盛りなんで。

すっげえ抑えるべきポイントは抑えてるけど、まったくもってそれのレベルが低いし、伝わってくるものがない……ってのはさすがにひどく言い過ぎてる気がしなくもないけど、気を遣って感想書くのなんて無理だしなあ。

消化不良のほうがよっぽどよろしくない。

 

起承転結のバランスが悪く、魅力が半減している

背表紙で紹介されているあらすじの場面に辿りつくまでに何ページかかってるんだよ。合コンで知り合った女の子が実は誰かも知らない女の子だったっていうありがちなネタに何ページかけてるんだよ! 起が長いんだよ!

っていうかですね、あえて起を長くして、後半を怒涛の展開にして読者をパニックにさせたいって狙いならですね、もっとやりようがあるんですよ!

本当に無駄が多いこの作品!

ホラーサスペンスの肝は平和描写を丁寧に書いてそれをいかに崩すか!

平和描写がだらだらと長い割には効果的に働いてない!

それがこの作品の面白さの根幹を崩している!

ひぐらしとか見なさいよ!

萌えを恐怖に変えるというベクトル転換の鮮やかさを見習ってほしい。 

あれは「萌えだと思っていたものが、いつの間にか不気味なものに変わっている」という恐怖への転換が非常にうまくいっている作品だと僕は思います。

あれも序盤は長いですけれど「ああ、あの平和だった序盤に戻りたい」と思えるくらいに畳み掛けるように絶望が続くじゃないですか。

それがキモですし、そう思わせる為にあの序盤の長さなんですよ。

でもこの作品にはそれがないんですよ。ただ長いだけで終わっている。

なんかマジで文句が止まらなくなってきて、非常に生産性がないのでこれでやめます。

ただここまで文句が言えるということは、それだけこの作品に期待していたってことですし、欠点が明確な作家って次の作品で爆伸びするんですよ。

だからまあ次に期待ですね。

 

まとめ

とりあえず得られる知見はあるとは思います。ただこれを読んだらメガネ女子と合コンで知り合っていずれ結婚できるほどの技量が身につくと思っていたのに、全然なにひとつ人生が変わってなくて非常にがっかりです

本を読んでるだけじゃだめなんだってことくらい、僕にもわかります。

本を読んでる場合じゃないんですよ。

書を捨て町へ出ないとダメですよ。

読書はクソ!

 

あーメガネ女子のヒモになりたい。

最低でもお友達になりたい。

 

さてと……強引な結論で締められたよ。

なんかこれを読んでたら石田衣良を思い出した。

石田衣良は自分が表現できうるものを最大限に出しつつも、世間が求めている石田作品に落とし込めるといういわゆる「プロ作家」としての力量がハンパないと思う。合コン~の作者をめちゃくちゃ進化させたら、石田衣良感が出始めるんじゃないかなとぼやっと思った。

石田衣良の好きな作品、数冊貼っとくから是非買って、僕にお金くれ。

娼年 (集英社文庫)

娼年 (集英社文庫)

 

これを読んで「透明感」をちょっとだけ理解した。題材に合わせているのか、テイストが村上春樹っぽい。そのあたりもひどく器用な作家だと思い知る。

 彼のエッセイで一番好きなのがこれ。生き方をふわりと見返せる地味な良作。

 

まあこれ以外で石田衣良を始めて読むならアキハバラ@DEEP池袋ウエストゲートパークとかがいいんじゃないですかね。まぎれもなく名作だし、彼の代表作にもなってると思います。僕はそんなに好きじゃないけど笑。

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